「面白い」の正体を考えてみる。大雑把にInteresting 「興味深い」と funny「おかしい」の2つに分別できる。
お笑いの面白さは funny の方で、笑いのメカニズムは「緊張と緩和」などと言われているが、唐突な安堵感と密接な関係がありそう。
一方、サイエンスなどで、直感に反したり、理解出来ない現象が起こるとき、興味深いと表現されたりする。サッカーの試合の中継で番組で、ゴール前に滞空時間の長めのふわっとしたパスが飛び、それが誰に渡るか分からないようなある意味運任せの状態で、解説者が思わず、「面白い」と表現したことがあった。推理小説の醍醐味は、結末がどうなるのか分からないところにある。アート作品で既知のスタイルに見られない独特の表現手法に対して、面白いと評価されることがある。あるTV番組のプロデューサーが「挑戦する時に視聴率が上がる」と言っていた。あるプロデューサーは「人間が極限の状態でものを頬張る様を人は見る」と言っていた。これらに共通するのは、「未知」の要素であり、どうなっているのかが未解明であり、これからどうなるのかの予測がつきにくいところにある。
つまり、逆に考えると、そのような未知の要素をうまく取り入れ、「これはいったいどうなっているんだろう?」だとか「これからいったいどうなるんだろう?」という疑問を抱かせれば、それは観察に値する表現に成り得る。それはつまり、人の意識を集めることができる。