最近、自身で個人販売している WordPress の有料プラグインの売れ行きが芳しくない。2018年、潮流が変わってきているのか、はたまた競合にシェアを奪わているだけなのか。現時点ではなんともわからないのだけれど、指標になりうるデータを軽く集めてみた。
WordPress プラグインのアクティブインストール数の推移
メジャーなプラグイン2つを例に挙げてみた。いずれも 2018/11/6現在。
Askmid Anti-Spam
Jetpack
上部ダウンロード数のグラフは、Travis 等で自動化されたテストで容易に水増しされるので、あまり参考にならない。問題はアクティブインストール数。薄い黄色の棒線に注目。これが全体の大まかな傾きを表している。どちらも右下がり。他のメジャーなプラグインも沢山チェックしたが、どれも同じような傾向にある。
ということは、WordPress 全体としての使用数が減少している、と見て良いだろう。
Google Trends
では、Google での検索数によるトレンドを見てみる。時間範囲は2004-2018。
WordPress
2013~2014 頃をピークに、ゆるやかに下がっている。
国をアメリカに絞るともう少し顕著だ。
では、プログラム言語はどうなっているだろう。WordPress は PHP で書かれ、データベースはデフォルトで MySQL を使用している。
PHP
MySQL
これらも下がっている。ただ、下がり方が安定していて、急激に利用者がいなくなるという感じはなさそう。
今後伸びるWeb 言語と CMS
では、WordPress に代わる媒体はなんだろうと気になったので少し調べてみた。
ここ数年、Web 言語では Node.js が隆盛を見せていたが、早くも下降傾向にある。
JavaScript はゆるやかに下がって2012年頃から横ばい。
どうやら、Python が強いようだ。
ただ、Python の場合、コンピュータグラフィックなど様々な分野で使用される言語なので、一概に Web 言語として広まっているのかとは言い難い。画像は貼り付けていないが、Ruby, C++ は横ばい。Java は緩やかな下降線になっている。これを考えると、ここ十数年における既存プログラミング言語全体としては上昇傾向にはない。その中で Python がぐっと上がっているという点は抑えておきたい。
あと、Go も微妙に来てる。
では、CMS は何が来るんだろう。”WordPress Alternative” などの検索キーワードで調べると、それこそもう沢山でてくるわけなんだけど、どれもこれも有料化されていて、ある程度使い込むとお金を払わなければならない仕組みばかり。これだと誰もが使うような底辺に届くインフラ的拡がりは期待できない。そういうのは近いうちに衰退する。そういう意味では WordPress は強かったし、今でもまだまだ強いと言える。
で、どうやら、その点を抑え、かつ、来てるものがあるようだ。
Django
https://www.django-cms.org/en/
Django 自体は Web フレームワークなのだけど、派生的に、CMSも開発されている。
急激な伸びはないにしろ、安定してゆるやかな上昇傾向にある。これを大雑把に横ばいとみる人もいるかもしれないが、他の言語やCMS の緩やかな下降傾向にある横ばいに比べると、これはその逆。
そして、書かれている言語が Python、伸びている言語というのは見通しが明るい要素だ。ただ、”Django CMS” で見ると、緩やかに下降している。
こう見ると、CMS 全体が下降している可能性がある。ただ、その場合、それに代わるウェブパブリッシングメディアを人々は必要とするはずだが、ソーシャルメディアサービスが用意したものを使うのか、フレームワークを使うのか、はたまた別のツールが出てくるのか。今後、5Gなど新技術の登場でプラットフォームの様相ががらっと変わる可能性がある。動画コンテンツが主流になり、文字を読まなくなる傾向が強くなれば、現状の情報共有の形態でなくなるのは必然。そうなるとその技術と人々のニーズに最適化されたツールが必要になる。ただ、新聞が一時期 TV の登場によってなくなると言われたが生き残っているように、文字媒体自体は存続するだろう。
現在、動画などは、YouTube などにアップしてリンクさせる方法が一般的で、YouTube に似たシステムをレンタルの共用サーバーに持たせるようなレベルまでは到達していない。いづれにせよ、各媒体のシェアがどのような割合で移行していくのかが重要であり、今後のWeb界隈全体の動向、流れに注視していく必要がある。